医療法人 森永眼科クリニック

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アレルギーによる目の病気

● アレルギーって何?

目にはアレルギーが起きやすい
今、日本ではアレルギーの人が増えています。すでに国民の3割が、なにかしらアレルギー性の病気をもっていると言われています。
目に症状が現れるアレルギーも少なくありません。眼球は物を見るために外界にさらさせる必要があり、つねにアレルギーの原因物質「アレルゲン」にさらされているからです。

アレルギーは“免疫反応のいたずら”
人間には、細菌やウイルスなどから体を守る「免疫」が備わっています。免疫とは、細菌やウイルスなどが入り込むと、それを体に有害な異物だと認識して「抗体」を作り、次に同じ異物を感知したときには、抗体が直ちにそれを攻撃・排除する仕組みのことです。インフルエンザなどの予防接種は、これを利用して感染を防ぐ方法です。
ところがこの仕組みは、ときにエラーを起こします。体内に侵入する抗原※1に体が過敏に反応すると、私たちに不都合な効果をもたらすことになります。見当違いの免疫反応、つまり“変化した反応能力”がアレルギーです。
一度できた抗体は、長年なくなりません(すぐになくなってしまったのでは、異物を排除するという本来の免疫の役割を果たせないからです)。アレルギーによる病気が長年続きやすいのはそのためです。

※1抗原:免疫反応を引き起こす原因物質。抗原の中でも、アレルギー反応に関わるものは、アレルゲンと呼ばれます。

アレルギーって何
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● アレルギーによる主な目の病気

◆ 季節性アレルギー性結膜炎
毎年同じ季節になるとアレルギーによって結膜けつまく炎が起きる病気のことで、花粉症がその代表です。結膜(まぶたの裏側や白目)は、眼球と外部を隔てているバリアのような膜なので、それだけに花粉をはじめいろいろな異物が溜まりやすいのです。
症状は何と言ってもかゆみが一番で、それに充血もよく現れます。目以外に、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどもよく起こります。
花粉症の原因としては、春に飛散するスギ花粉がよく知られていますが、ほかにも春から初夏にかけてはヒノキ、夏場はイネ科の植物(カモガヤなど)、秋にはブタクサやヨモギなど、さまざまな植物の花粉がアレルゲンになります。

◆ 通年性アレルギー性結膜炎
ダニやハウスダスト※2などがアレルゲンとなる結膜炎です。これらは花粉と違って季節に左右されないので、症状が一年中現れるため「通年性」と呼ばれます。

※2ハウスダスト:家屋内のチリ。ほこりやカビ、ダニ、フケ、ペットの毛や分泌物など。

アレルギーによる主な目の病気
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◆ 春季カタル
結膜に炎症が起きて、かゆみのほか、白っぽい糸を引くような粘り気の強い目やにが出たり、まぶたの裏側の結膜に隆起(石垣状乳頭いしがきじょうにゅうとうと呼ばれます)ができてゴロゴロしたり、涙があふれたりします。病名にある「カタル」とは、粘膜に炎症が起きて多量の粘液を分泌する状態です。このような症状が、特に春先などの季節の変わりめに悪化します。点眼薬で病気をコントロールしますが、結膜の乳頭がなかなか消えないときには手術も検討します。
結膜だけでなく角膜かくまく(黒目の部分)にびらん※3や潰瘍かいよう※4、プラーク※5ができることもあります。目を開けられないほど痛んだり、視力が低下して戻らなくなることがあるので、しっかり治療を続けることがとても大切です。
春季カタルは小学生ぐらいの男の子がかかりやすい病気で、アトピー性皮膚炎を併発しているケースが少なくありません。症状は悪化と軽快を繰り返しますが、ふつうは思春期になるころまでに治まります。

※3びらん:粘膜や皮膚の表面(上皮)が欠損した状態。
※4潰瘍:上皮より深い所まで障害された状態。びらんが深くなると潰瘍になります。
※5プラーク:潰瘍の所に堆積物が溜まってかさぶたのようになった状態。

◆ コンタクトレンズアレルギー
コンタクトレンズに付着したゴミやタンパク質などの汚れ、消毒液に対するアレルギーです。まぶたの裏側に乳頭ができて、レンズがずれたり外れたり曇りやすくなります。早く治すには、まずコンタクトレンズを外すことが大切です。治るまではメガネや1日使い捨てタイプのレンズに変更します。

◆ 点眼薬アレルギー
治療のための点眼薬(目薬)が原因で角膜や結膜、あるいはまぶたの皮膚に炎症が起きることもあります。薬の成分そのものや、薬の中に含まれている防腐剤がアレルゲンとなります。薬を変更したり、点眼を中止します。

◆ 接触皮膚炎
皮膚に触れるものに対するアレルギーのことです。化粧品や点眼薬などによる、まぶたの‘かぶれ’です。原因を見つけてそれを使用しないことが、治療の第一です。

◆ そのほかには
細菌などに対するアレルギー反応が結膜や角膜に現れる「フリクテン」という病気があります。その場合のアレルゲンとして多いものは、ブドウ球菌です。
そのほか非常にまれな病気ですが、内服薬(飲み薬)や注射薬に対するアレルギー反応と考えられる「スティーブンスジョンソン症候群」では、全身症状とともに結膜や角膜も障害されて視力を失うことがあります。